コロナの影響で外出できない日々が続いている。
そんな中でも秋冬1アウター買うというルールは崩したくないよね。

それを着て出かけるわけでもないし、
それを買いに出かけることすら憚られるけど。

今年はローデンコートが欲しいと思ってまじで色々探した。
高円寺に行けば一発だろうけど、こんな状況だから行きづらい。

そうでなくても地方の人とか地元に古着屋が無いという人も多いだろうから、オンラインで購入したい人も少なくないと思う。

今回はローデンコートを探す過程で得た情報をシェアしておく。

中編と後編

いつもよりちょっとだけ真面目です!

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ローデンコートとはなにか

 

ローデンコートと聞いてもあまりイメージ湧かない人も多いと思うので、
一旦画像を見てほしい。

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ヨーロッパのチロル地域(オーストリアとイタリアにまたがるアルプス山脈東部)で、貴族や王族などの地位の高い人が、ハンティングの時に着ていたコート、それがローデンコートだ。

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チロル地方はこんなところ。
景観とコートが非常にマッチするなー。

貴族が使用すること、そしてハンティング用途であることから、
ディティールもそれにならったものとなってる。

貴族が使用するにあたって必要な装飾性と、ハンティングのための機能性という2つの観点からローデンコートの持つディティールを見ていこう。

 

ローデンコートの特徴

 

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まず後ろから見ていこう。
中央に折り込みがあるのがわかるだろうか?

これはインバーテッドプリーツと呼ばれる。
内側に生地を余分に折り込むことで生まれるディティールである。丈が長いクラシカルなトレンチコートや、女性用のスカートなどにしばしば用いられる。折り込まれた布が開くことで裾が通常よりも大きく動くため、動きを伴うハンティングに適した機能であるといえる。

また、プリーツを用いるということは装飾的な意味でも興味深い。プリーツは古代エジプトでは太陽光に似ていることから神の象徴であるとされ、高貴な身分の者のみに着用が許されていた。
そして、近代でも多くの生地を必要とすることや加工の手間などから、高貴な人のみが着用できるようなものであった。そのため、ハイクラスな人々が使うコートとしての装飾的ディティールであるとも言える。

次に、肩回りを見ていこう。
通常のコートと比べて肩先が翼のように張り出しているように見えるだろう。これは見た目の通りウイングショルダーと呼ばれ、高貴な印象を与える。また、こうした大胆な肩先は現代の我々にとっては1930年代から始まった女性のパワーショルダーを想起させる。女性の美しい力強さとその中のエレガンスを感じさせ、ドロップショルダーが流行となっている今ではとても新鮮である。

こうした肩の強調は日本文化でも見ることができる。
我々にとって肩の強調がどういった印象をもたらすのかを考えるのに重要かもしれない。

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織田信長が身に着けているのは裃(かみしも)である。
その昔、武家の正装であった直垂から、徐々に簡略化され、このような裃(小袖+肩衣(袖を省いた袴))となった。なぜこの簡略化のなかで、特徴的な肩は淘汰されなかったのだろうか。単に袖を無くすことは機能面的に着脱がしやすく、楽だからということもあるだろう。現代に置き換えて考えてみても、ジャケットとジレ、楽なのはどちら?と言われたらジレとなる。また、ダウンジャケットとダウンベストの比較でも分かりやすいかもしれない。しかし、それ以上に、構築的な肩のラインが正装を正装たらしむキチっと感を演出するからではないだろうか?

時代と場所が違っても、似たような傾向を持っていることは、強調された肩に対する人間の本能によるものなのだろうか?そういえば、広い肩幅が男らしさの象徴として数えられ、確かに威厳があるように感じる。HMBサプリメントを摂取するとともに、三角筋(肩の部分の筋肉)を鍛えてモテボディを手に入れようなどという低俗な広告も、この本能を煽動するものなのかもしれない。

また、このウイングショルダーは肩上部の縫い目を布の下に入れ込むことで、雨が染み込みにくくなるだろう。変わりやすい山間部の天気や霧を考えると合理的な作りであるといえる。

そして、脇下を縫わないフローティングショルダーが肩回りの動かしやすさを作り出している。機能面を追求したディティールであるが、裏地をあえてそこから覗かせて装飾性を加えている製品もいくつか見たことがある。

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上記の彼が着ているのはローデンウールのマントだろうか?
このようなスタイルで野山をゆったりと散歩してみたい。

そして重要なファブリックである。
表地にはローデンクロスが用いられることが多い。
ローデンクロスはチロル地方の遊牧民の毛織物に由来しており、現在もそこでのみ生産されている。ローデンという名称も、チロル地方の「Loda:ローダ:獣⽑で織った厚地の⽑布」から来ている。混率はウール80%、アルパカ20%のものが最も一般的であり、織りあげた後、熱を加えて生地を収縮させることで目の詰まった、防水・防風性に優れた生地となる。

ローデンコートの生地も、もともとは農民や猟師などの労働者階級がウール、リネンと並んで勅令によって着用が許された布地の一つであった。しかし、ロマン主義によって貴族たちが民俗文化への関心を高めたことにより、貴族の着用が増え、ローデンコート=高貴なものとイメージが変わっていったのだ。現在でもその影響が色濃く残っている。

カラーはグリーンのほかにも、ネイビーやブラウンなどもあるが、ハンティング用という性質上、自然になじむグリーンが好まれ、二次流通でも多く見かけることができる。

以上がローデンコートに関する基礎知識と自分の考察である。

 

なぜローデンコートが欲しくなったのか

 

この動画で赤峰先生がお召しになっているローデンコート。
これが本当にかっこよくて、一目惚れしました。

動画内ではどこのメーカーの者かははっきりとわからなかったけど、
動画後半で若干Burberry’sのタグらしきものが見えたので、おそらく80年代以前のものだと思う。

ローデンコートは歴史と伝統があるクラシックなものだから、
流行遅れで急に価値を失ったりすることがないと思う。

今は若者らしく着て、スーツスタイルではかっちりと、ゆくゆくは赤峰先生のように着れるようになりたい。

大学生にはちょっとオジっぽ過ぎるという意見もあるだろうけど、
そんなものは合わせ方次第でしょう。

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こんな感じで黒で締めればすごくすっきりする。
ただこの子はラグランスリーブのタイプを着用しているので、実際はもう少しかっちりとした印象になると思う。

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このように下はきれいなスラックス、中にビタミンカラーのイエローのニットを差し込むことによってとてもよくバランスが取れている。

ひとまずはこうした着こなしから始めていきたいと思う。

 

まとめ

 

思っていたより長くなってしまったので、前編後編と分けることにした。
これを読んでローデンコートに興味が湧いた方、ぜひ次回も見てほしい。

次回ではどのようなショップで買えるのか、そして自分が何を買ったのかをお伝えします。

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参考文献
https://muuseo.com/square/articles/1024
https://oshitate.com/wp/product/loden-coat/
http://batak.jp/2019/11/information/10790/
https://www.vogue.co.jp/fashion/trends/2018-12-27/the-history-of-the-power-shoulder/cnihub

 

 

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キヒロ

キヒロ

靴とパンツが好き。COSで服を買いまくるCOS野郎。

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